ひまわり
「もう……二人のパパになる人が、そんなに弱気でどうするのよ」
「え……今なんて?」
二人のパパ………って?
もしかしてもしかして………
「……えへへ」
汐莉はお腹に手を当てて恥ずかしげに笑った。
笑いが込み上げてきて、僕の腕は汐莉を再び抱きしめていた。
「…触ってもいいか?」
汐莉は顔を赤くしながら微笑んだ。
そっと汐莉のお腹に手を当て、その奥にある命に耳を澄ます。
触れた手からぬくもりが伝わってくる。
僕と汐莉は少しの間見つめ合ってから、笑った。
そっとお腹に耳を当ててみると、まだ聞こえないはずの鼓動が聞こえてくるような気がした。
「…汐莉」
「ん?」
「ありがとな」
僕の言葉に顔を綻ばせ、こちらこそ、と言った。
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