ひまわり
◇◆Side.健◆◇
汐莉が笑った。
僕も笑った。
教室に戻ると、女子が集まってきた。
「健くん、書いて?」
「あたしも~」
「これもお願い!!」
仕方なく全て受け取り、書き込む。
『3年間ありがとう
これからも頑張って★ 健』
「健くぅん、あたしもぉ」
キモい……。笑
女の声じゃない…
見上げると、脩大がいた。
「お前……女だったの?」
「ちげーし!!笑」
「完璧ニューハーフだろ」
「あはは、
……ったく、健カッコ良すぎんだよ」
「は、どこがだし?」
「全て^^」
「意味わかんね~(笑」
「だって詐欺だろ?その笑顔。
王子様スマイル^^」
いつ王子様スマイルしたっけ?
……て、詐欺じゃねーだろ…
ただ笑っただけだっつーの!!
ペチッ
軽やかな音がして、脩大のデコピンが当たった。
「痛っ…」
「ばーか。油断してるからだろ?」
「あっは、知らないし。」
「そういえばさ、明日じゃん?」
「いきなり話変えんなっ
……て何が?」
「や、合格発表がさ?」
―そうだった……。
忘れてた。
明日、15日は高校の合格発表。
「四人全員受かってるといいな?」
脩大の言葉におう、と一言返す。
落ちてませんように……。
汐莉と一緒に行きたいんだ……。
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