ひまわり



「何て書いた?」

「まだ見ちゃダメっ」



汐莉は見せてくれないし、
書くことなんか思いつかないし…




『大好きだ   CAP.健』


思いついた言葉を書いた。


誰が大好きなのかって?
そりゃ……バスケと…


今、隣にいるやつだろ。





「健、なにそれ?」

「ん?俺流」

「意味不だしっ!!笑」

「て、勝手に見んなっ」

「あはっ、ごめーん」

「汐莉の見せろよ?」

「はい」





汐莉は後ろを向いて、顔を真っ赤にしてる。


見ると……





『…みんな大好き!!

 バスケしてる姿、好きだったよ?

 これからも頑張って♪

 CAP.汐莉^^』





汐莉のきれいな字で書いてあった。



「ん?」


“みんな大好き!!”
の後に、小さく書いてあった言葉。






“あと、君も”







ドキドキする。

誰に宛てて書いたのかはわからない。


でも、ある意味…
愛の告白だよな?



「た、健っ!帰ろっ?」

「……お、おう」





すごく真っ赤な汐莉。

あのメッセージ…
見なかった方がよかったのかな…?




心の中で、汐莉が想う相手が俺だったらいいのに…
なんて思う。



でも現実はうまくいかなくて………




汐莉に何も伝えられずに、僕らは帰った。









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