ひまわり
‐放課後‐
「汐莉と健、家どっちなん?」
あたしと健が帰ろうとしているところに
里琴がやって来た。
「あたしたちは、南町だけど…?」
「あ、じゃあ逆だわ!
ごめんな?また明日な!!」
里琴が嵐のように去っていった。
「……変なヤツ」
健がぷっと吹き出した。
あたしが見たことのない顔で笑っている。
そんな顔で見ないで……
大笑いする健が…
里琴を見る健が…
なぜか遠い人に思えてくる。
「…汐莉?」
健に呼ばれ、我に返る。
「…っ…………/////」
健の綺麗な顔がドアップ。
「……握りすぎ…」
「へ?」
健が笑って、制服の裾を指差す。
「…ぁ……ごめん」
無意識のうちに健の制服の裾を掴んでいた。
「掴んでていいよ?」
「…ん」
健の言葉に甘えて、一旦離しかけた裾をもう一度強く掴んだ。
「帰ろっか?」
「…うん」
歩き出そうとして、一歩踏み出すと
健に激突した。
「ちょっ……いきなり止まんないでよ?」
健を見上げると、何かを見つめていた。
その視線の先には……
「「バスケ部員募集……?」」
掲示板に大きく『バスケ部員募集!!』と書いてある貼り紙を見つけた。
「汐莉、行くぞ」
「は?」
考える暇もなく、
Uターンをしてあたしの手を引っ張っていく。
「ちょ……健?!どこ行くの?」
「部活見学^^」
そう言ってニヤっと嫌らしく笑った。
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