ひまわり


あたしの唐突すぎる質問のせいで
女の人は空いた口が塞がらない状態。



「…あ、ごめんなさい……」



あたしが謝ると、
肩を竦める仕草をする。


アレ、
外国人がよくやるアレだよ、アレ。



「これのこと?」


女の人は少しワンピースの裾を広げて
あたしの方を見た。


同意を求めるような目で見つめる。




その熱い視線に
あたしはごくごく普通に頷いた。





すると、女の人は微笑んで話し出した。






「仕方ないのよ…




 私、病人だから…」





と、寂しそうに呟いた。



「私ね、元から心臓が弱くてね?

 病院ばかり行ってたような人なの。



 だけど、そんな私にも
 愛する人ができて
 その人と結ばれて女の子も生まれたの




 でもね………?」


女の人の動きが止まった。
それから、とても悲しげな寂しい目をした。




「私、死んじゃったわ…。


 心臓の病気で…
 娘が3歳の時にね?」





クスッと小さく笑って


「バカみたいでしょ?」


と言った。






どうしてか、視界がぼやけだす。




おかしいな…
あたしが泣く理由ないのに。




頭ではわかっているけど、
溢れる涙が止まらない。







.



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