ひまわり


空を見上げて干渉に浸っていると
あたしの隣に女の子が腰掛けた。


ふと隣に目をやると、
女の子が不思議そうな顔であたしを見つめた。




ピンクに染まる頬

ぱっちりした大きな瞳
幼い顔立ち…

見た感じ、3歳くらい。




それから女の子は
ポケットから何かを取り出して
あたしに向けて手を伸ばした。






「お姉ちゃん、はい^^」


満面の笑みで差し出した物は……







「…キャンディ……?」


色とりどりに個包装された
透明なキャンディ

女の子はそれを掌いっぱいに
差し出した。





「あげりゅ」

女の子が差し出したキャンディを
受け取って、ありがとう、と言う。



水色の個包装を開けてみると、
キャンディもまた、水色だった。





それを口の中に放り込む。

口の中に広がるラムネの味


時折、炭酸のようにシュワシュワとした味もして美味しい。




「美味しいね?」

あたしが言うと女の子は顔をしかめた。


「…しゅっぱい」



あ、レモン味食べたな……

女の子の左手にはしっかりと
黄色の個包装が握られていた。




少し涙目になるのが、とても可愛い。



「ねえ、名前なんていうの?」

「高井桃(モモ)、3歳です」





右手で変な“3”を作って言った。

それを顔にくっつけて笑う。

とても愛嬌のある仕草ばかりで
ずっと見ていたくなった。



「桃ちゃんかぁ~
 可愛い名前だね^^」


あたしが褒めると、頬を赤く染めた。



「ありやと♪お姉ちゃんは?」

「あたしは汐莉だよ」

「ちおりお姉ちゃん^^
トモラチになろっ」





若干、違うような気が……。笑

あたし“汐莉”なんだけどな~?笑



でもそんな間違いも
桃ちゃんだから許せてしまう。





あたしと桃ちゃんは
桃ちゃん曰く
“トモラチ”になった。








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