ひまわり
桃ちゃんとキャンディの食べさせ合いをして遊んでいると…
「ちおりお姉ちゃんはなんで病院にいるの?」
と、桃ちゃんが言った。
なんで……?かぁ…。
倒れて検査のためかな…?
確かにあたしは
なんで病院にいるのかわからない。
「わかんないの…
桃ちゃんは?」
「桃は………びょーき」
桃ちゃんの腕には
痛々しい注射の痕や、
点滴の痕がたくさん残っていた。
今も腕には点滴が繋がれている。
桃ちゃんに何の病気か聞くのは
酷すぎるような気がして、
そっか、とだけ呟いた。
桃ちゃんはあっ、と言って
腕の傷跡を服で隠した。
一瞬、桃ちゃんの顔から笑顔が消えた気がした。
「えへへ…恥ずかちぃ…」
必死に笑顔を作って、
元気に見せようとする桃ちゃんが
すごく可哀想に思えてしまう。
「桃ちゃん……
あっち向いてホイやろっか!」
「うん!!」
桃ちゃん……
あなたの笑顔には
人を元気にする力がある
こんなに小さい体でも
どんなに小さな光でも
人に勇気を与えることができる
桃ちゃんは凄い人だよ
治らないかもしれない
病気と闘いながら
懸命に笑って過ごしてる
あたしも…
そんな人になれるかな?
「ちおりお姉ちゃん、弱い~」
「桃ちゃんが強いのっ」
「「あははっ」」
ほら、口を開けて大きく笑ったら
笑顔になれたよ
笑うってとてもいいこと。
「ちおりっ」
「何だ、桃っ」
「「あはは」」
.