ひまわり
あたしはあなたを
一生、恨むでしょう
許さない……
いや、許せないの
あたしの夢を…
未来を…
奪ったことが許せないの
芝生に寝転ぶ。
いつかのあの日みたいに…
寝転んで空を見上げる。
そういえば…
この芝生はあの日の…?
あの日って?
小学校に入学した日。
あの日に初めて菜の花が咲き乱れる、
この場所に連れてきたもらった。
健と、健のお母さんとお父さんと
あたし。
「汐莉……?」
あの時と同じ声が聞こえた。
そっか、これは夢なんだ
そうだよ…
あたし死んじゃうんだもんね?
できることなら…
無邪気に過ごすことが許されていた
あの頃に戻して……?
「汐莉っ!!」
声がすぐ近くで聞こえたと思ったら、
抱き締められた。
細いけれど、筋肉質の腕が
骨董品のように壊れそうなあたしを
きつくきつく抱き締めている
「心配かけんなよ……」
少し荒い息遣い。
もしかして走ってきてくれたのかな?
「健……?」
細く小さく名前を呼ぶ
すると、それに答えるように
そっとあたしに口づけをした。
ほんのりと健の匂いがした。
甘くて優しい匂い
あたしはこの匂いが大好きだった。
その匂いの持ち主は、あたしから
体を離すと、あたしのうっすら血の滲む腕を見て言った。
「バカ………」
哀しそうな瞳であたしを見つめる
自然と言葉が出てくる。
「ごめんね……?」
健はもう一度、
あたしの唇にキスを落とした……
「もう離さねえから」
甘く低い声で言った
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