ひまわり
◇◆Side.健◆◇
いつものように汐莉の病室に行くと
汐莉はいなくて、女の子が
二人いるだけだった。
病室を見回してもどこにもいない。
不安が募り出す。
「…あのォ……」
キョロキョロしていた僕を見て、
女の子の一人が伏し目がちに訊ねた。
「あ、俺?」
「汐莉はいないですよ?」
その子はコクンと頷いてこう言った。
「どこにいるかわかる?」
「たぶん2番診察室だと思いますよ」
2番診察室ってことは……
検査結果かな?
何もないといいな……
「ありがとう
…待ってたら来る?」
とりあえず、お礼を言った。
聞いておいて礼も何もせずに
いなくなるのは癪にさわるから…
「来ると思いますよ^^」
僕は再び、ありがとうと言ってから
病室の入り口の壁に寄り掛かって
汐莉を待つことにした。
特に理由はないけれど、
汐莉に会いたかったから、というのが
答えであろう。
「汐莉の彼氏さんですか…?」
さっきとは違う方が訊ねてきた。
これって答えた方がいいのか?
汐莉の立場が大変にならねえかな?
―まあ、いいか?
でも………
「秘密^^」
と、いたずらに笑って言った。
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