ひまわり


女の子達は一瞬、不思議そうな顔をして
それからニヤニヤしていた。





「やっぱり秘密なんですね?」

「やっぱりって……
 まあ、各々の解釈ってことで^^笑」



とりあえず秘密は秘密。

知りたかったら汐莉から聞けばいい、
という思いを込めて…






「「末長くお幸せに……」」

二人は声を揃えて言って
フフッと笑った。




それにつられて、僕も笑顔になる。





小さい頃から汐莉以外の
女子は嫌いだった。

なにかと僕を見れば、
キャアキャア言ってどこかに走っていく




健くんってカッコいいね、とか
ありもしないお世辞ばっかり並べて
頬を赤く染める。





だから女子は面倒臭くて嫌いだった。







でも汐莉だけは違った。



いきなり飛び蹴りしてきたり
顔面ビンタはいつも。


自分で転んだくせに僕のせいにするし…



顔に似合わず口が悪いから
「バカ」とか「チビ」とか言うし…

本当に男子みたいな女子だった。




この二人はどこか汐莉に
似ているところがあって、
僕は昔の汐莉と少し重ねていた








なんて干渉に入り浸っていると…


看護師さんが大急ぎで
病室に入ってきた。








「汐莉ちゃんいない?!」

「え……?汐莉、診察室じゃ…?」

「いないのよ!」





看護師さんは焦っているようで
早口でそう告げた。









へ?

脱走ってわけか?







僕は走り出した…


治りかけの足をかばうどころか

松葉杖も持たずに。













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