ひまわり


足が動かなくなってもいい

一生使えなくなっても…




ただ、汐莉を捜した。






汐莉の家周辺…

近所の公園…

小学校の校庭…




どこにもいない。








「…し…ッ…はぁはぁ…おり…」


走り続けているせいか、
肩が上がってうまく呼吸ができない







どこにいんだよ…?



僕はその場にへなへなと
座り込んでしまった。








汐莉のいそうな所をひたすら捜しても
どこにもいなかった。

あと思い当たるところは……







思考回路を駆け巡らす。

ふと、昔の汐莉の言葉を思い出した。





“悩んで行く先がわからなくなったら

この野原に来るの”




“ここで芝生に寝転がったら

道が見えるような気がするの”







野原……。

そうだ。
小さい頃、よく遊びに来た菜の花畑…?







少しずつ痛み出す足を引っ張って
僕は走り出す。



―菜の花畑はここから走れば10分で着くよな?








僕はひたすらに走った

我を忘れてただ汐莉を捜して走った












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