ひまわり
- 放課後 -
「あっ健!お疲れさま」
生徒指導室から帰ってきた僕を見て、汐莉が笑いながら言う。
「……うるせー」
「健は運悪すぎだよ~…何もゴリラの前で寝なくても…」
「…わかってるから、黙れよ」
汐莉の言葉を受け流す。
「ごめ……怒ってる?」
心配そうな表情で僕の顔を覗きこむ。
そんなんじゃないけど…
と言いかけてやめる。
僕は鞄を持ち、逃げるようにして教室を後にした。
外の空気は妙に新鮮で
気持ちよかった。
根雪が少しずつ溶け出すころ。
やべ…進路表出してねえ…
もうそろそろで受験。
実感が全くと言っていいほどわかない。
汐莉はどこ行くんだろ?
あいつ頭いいからな……
なんて考えていると、後ろから誰かがぶつかってきた。
…汐莉だった。
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