ひまわり

?!


突然の出来事に頭が真っ白になる。


離そうとしても、両手は握られていて動かない

口は強引なキスによって封じられている。



離れてよっ…!!

心の中で叫んでは、声にならない声に変わって消えていく。





「……ッ!!」




あたしの唇を割って入ってくる舌

それは、あたしの舌を見つけると嫌らしく絡めてくる。



五十嵐賢斗はあたしに全体重を掛けて
強く抱き締めた。

もがけばもがくほど、強く押さえつけられる




あたしに全てを押し付けたまま、
五十嵐賢斗はそっと唇を離した。




その隙に逃げようとしても、押さえつけられているから無理で、
あたしは五十嵐賢斗を思いきり睨んだ。



「なんでダメなんだよ?
 俺じゃダメなのか?」

と、低い声で言うと再び強引に唇を重ねた。



強く強く押し付けられるあたしの体は
どんなに離れようとしても離れることはなく、
もはや、この状況から逃れることは不可能に近かった。





するとその時、
ドアのすぐ側で話し声が聞こえた。




「キャハハっ
…ちょっと手伝ってくれる?」

女の子の声がした。
妙に高くて可愛い子ぶっている感じで
聞いていて腹が立った。


その後に聞こえた声は…


「何すんの?」




あたしを驚かせた。

低くて甘い、どこか聞き覚えのある声。



なぜなら、声の持ち主は…
健…だったから。








.



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