まっすぐ、あるいてみた
さみしいよ。おかあさんがいないのは、おまえのせい?

むらさきにそらがそまったころ、こどものこえ。

ぞうおがひしひしとつたわってきた。

らくにならないぼくのからだが

のそのそとうごき、

なんできみまでそういうのかな?

かなしいな、しんでよ。

でもこどもはおびえない。

ぼくはおまえをゆるさない、かえせ、おかあさんかえせ

くるしめひとごろし!いっしょうくるしめ!

ははは。なんだこのこども。くるってんじゃないか。

たしかにぼくはひとごろしだ、

しかし、きみらがぼくをそうさせたんじゃないの?

かなしいな。

にこりとわらってこどもにとどめをさす。

するり、こどものてがおちた。

くろいくもからあめがふった。

わ、あまやどりしなきゃ。

れいとうこのなかにいるみたいにさむくって

たおれたはずのぼくはいまここにいた。
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