恋するシンデレラ
そして長めの休憩時間。
皆が移動する中、優斗は一人黙々と練習していた。
優斗も、努力家なんだ・・・。
「・・・手伝おうか?」
ゆっくりと近寄ると、集中していたんだろう。
驚いてこっちを見た。
「あぁ、サンキュ。」
優斗が抜けていた部分を軽くやり終えると、
どちらからともなく床に座った。
「・・・真似すんなよ。」
「・・・そっちこそ。」
少し間が開いてから、二人して笑った。
久しぶりに、優斗と笑った気がする。
素直に言うなら、今なのかな?
今なら、言える。
そう思った私は、優斗の方に向き直った。
「嫌な態度取っちゃってごめん。
ちょっと、寂しかったの。
私だけ置いてかれちゃった気がして。」
徐々に速くなる鼓動。
後から、じわじわと恥ずかしさが込み上げてくる。
少し目を見開いた優斗は、優しく微笑んだ。
「俺も。」
「・・・え?」
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