恋するシンデレラ









「ありがとうございました。」




午後まで稽古しているというのに、あっという間に解散時間になる。





気持ちとは裏腹に、体は疲れている私達は、

早々と荷物をまとめ始めた。







「愛、帰ろ…」



行きは別々なことが多いけど、帰りは大体一緒に帰る。

それが私達の習慣になっていた。





今日は愛より早く着替えられたから嬉しい。


と、思ったんだけど。











「愛、今日家来るでしょ?」


「うん、そのまま行こうかな。」





未来ちゃんと楽しそうに話す愛。






あ、一緒に帰れないのか。





「新曲どう?」

「PV見るんでしょー?

それまでのお楽しみ~。」

「このバンド、良い曲ばかりだものねー。」








盛り上がってて、話しかけられそうにない。









寂しくなる気持ちを振り切り、教室を出た。




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