恋するシンデレラ
左の薬指にキラッと光る、それ。
「先生、結婚されてるんですか?」
「・・・えぇ。
教わってるかしら。
姫学の英語教師、広瀬明良よ。
あ、このことは内緒ね?
皆には言ってないから。」
え?
あの広瀬先生?
苗字が一緒だからまさかとは思ったけど。
あの怖そうな先生?
私の思ってることがわったのか、美愛先生はクスッと笑った。
「一見、小難しそうに見えるかもしれないけど。
実際は違うの。」
ん?
「違うって?」
「本当は凄く優しいの。
でも、隠してるのよ。
私が嫉妬しちゃうかもしれないからって。」
・・・確かに、先生の教え方は上手で、おまけにカッコイイ。
更に優しくなんてされたら、ただでさえ陰ではカッコイイって人気あるのに。
かなりモテちゃうと思う。
なるほど。なんて納得していたら、突然ドアが開いた。
.