恋するシンデレラ









ーーーーーー・・・






家に帰っても、やっぱり考えてしまう。








机に突っ伏しながら、もんもんと考える私。




・・・同い年?

だって、春日さんじゃないんでしょ?






まさか、デマだったっていうのがデマだったりして・・・


キスも本当にしちゃったのかもわからないし。


美愛先生の優斗君って呼ぶ謎も結局わかってないし・・・




あ!

あと優斗が赤くなった理由もまだだ。







あー、もう。

むしゃくしゃする。



気分を落ち着けるために、携帯をいじり始める私。



ドタドタと廊下を歩く音がして慌てて問題集を開いた。








ーーーガチャッ





「奈々美!? ちゃんと勉強してるの?」




少しヒステリックがかった声のお母さん。


時々お母さんはこうなるから嫌なんだ。



こういう時は、波風立てないのが一番。







「・・・っ、してるよ?」



誤魔化してみようと頑張るものの、このありさま。



動揺しまくり。


私の場合、演技は全然活かせない。


つまり、嘘が下手。





「・・・そう?

2学期にテストすぐあるんでしょ?

ちゃんとやっときなさいよ!」



バタンッと乱暴に閉まるドアを見て、小さく溜め息をついた。





私のお母さんは、怒ると物凄く恐い。


そんなお母さんが苦手だし、何も反論ができない自分も嫌い。













・・・ふう。




仕方ない。







少しだけ勉強するか。








いかにも眠くなりそうな問題集を見て、また溜め息が出た。



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