恋するシンデレラ
「奈々美、おはよう。」
「愛ー。おはよ。」
「ちょっと大丈夫?
なんかやつれてない?」
まだ沢山の疑問があることを伝えると、頷きながら話し始めた。
「そーよねぇ。
それはモヤモヤしちゃうと思うわ。
よし、まとめて佐倉君に聞いちゃおう。」
「は!?
ちょっと・・・愛っ?」
私の腕を掴んだ愛は、全速力で走り出した。
ーーーーーー・・・
「・・・はぁ?」
わけがわからんと言いたいかのように片目を細める優斗。
そりゃそうだ。
いきなり『全部の質問に答えなさい。』なんて言い出すんだもん。
「だから、奈々美がね?
疑問が多すぎて演技に集中出来ないらしいのよ。」
・・・そんなことは言ってないんだけど。
でも違うとも言い切れないから、何も言えない。
それを聞いた優斗はしぶしぶ頷いた。
「まず1つ目ね。
佐倉君はあの有名子役と付き合ってるのか。
嫉妬させるためというのは本当なのか。」
「雑誌に載ってたろ?
付き合ってねぇよ。
嫉妬させたい相手への作戦っていうのは、本当。
向こうの提案で。」
「次。
ドラマでは本当にキスしたのか。」
「してねーよ。
フリだって言ったろ。」
なぜか優斗に睨まれる私。
「次。
美愛先生が優斗君と呼ぶのはどうして?」
「先生は基本下の名前で呼んでるけど。
苗字だと被ること多いから。」
「次。
その時、顔が赤くなったのはなぜ?」
「それはっ、
・・・・・・弱み握られてるから。」
「ですって、奈々美。」
あっけに取られていた私は、ハッと我に返った。
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