恋するシンデレラ






「・・・は?」



みるみる赤くなっていく優斗。





「嫉妬させたい相手って誰のこと?」



もう一度聞く私。


胸がキューっと締め付けられた。


聞きたくない。

けど、知りたい。



複雑な気持ちが、私の頭の中を占領していく。





「あー・・・、いや。

今は言えねぇ。」





ズキンッと心臓が刺されたように痛んだ。




そっか、やっぱりいるんだ。



好きな人。




そりゃそうだよね。








「そっかー。

可愛い?」

「えっ?・・・あー、うん。」



「私の知ってる子?」

「うん。

わりと・・・?」




そっか。

知ってる子か。




って、質問攻めしちゃってる。

うわ、私うざい。



「いきなりごめんね。」

「いや、別にいーけど。」



その言葉にホッとした私は、なんだかいたたまれない気持ちになってしまい。



『じゃ、ね。』


と、走り去った。


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