恋するシンデレラ
10
その日から私は間食を止め、飲み物も甘いものは避けた。
マスカラを薄めに塗り。
唇はこまめにリップ。
爪は透明のマニキュアを塗って。
可愛いストラップや小物を、
バックや携帯に付けたるだけで。
ほんの少し、自信になった。
今までは、ダイエットなんて三日坊主もいいところだったけど、
今回はなぜか続く自信があった。
ーーーーーー・・・
翌日。
思わぬハプニングが起こった。
それはラストシーンのこと。
いつもの通り、キスするふりをする優斗。
だけど、私がよろめいてしまった。
「・・・」
触れる唇。
優斗は目を少し見開いたけど。
また閉じて離してくれなかった。
もちろん客席側からはいつもと変わらないから、誰も気付いてないみたいだった。
そう、気付いてないと思ってた。
そのまま優斗は普通に演技を続けていて。
私は戸惑いをバレない様に隠し続けた。
一時休憩で隣に移る皆。
きっとほてり始めているであろう頬を隠ために、トイレに駆け込んだ。
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