恋するシンデレラ
その後、遅れて稽古に戻った私の目は少し腫れていて。
愛達に心配されたけど、適当にごまかした。
でも、正直辛くて。
一瞬でも気を抜いたら、涙が零れ落ちそうで。
とても、稽古どころじゃない。
「奈々美、ちょっと来い。」
近くで演じていた優斗は静かにそう呟くと、私の手を引っ張った。
「すいません、先生。
こいつ、具合悪いみたいなんで抜けます。
他のところやっといて下さい。」
そう言って私の代わりに皆に謝り、私の手を引いて歩き始めた。
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