恋するシンデレラ








美愛先生はくすっと笑って、『懐かしいわね』と呟いた。





コップからは、甘い香りが漂っている。






懐かしい?




ミルクティーをを飲み込みながら首を傾げると、微笑みながら先生は言った。








「昔も私はそんな思いしたなーって。




今のうち、沢山笑って沢山傷ついて、沢山泣きなさい。



大人になったら素敵な思い出になるから。」







最後に『あー。若いっていいわねー。』なんて言う先生に、思わず笑ってしまった。





「先生は、どんな恋をしてたんですか?」



美愛先生は意味深に微笑む。



「中学3年生の時、両思いだった子がいてね?



でも、私がその子は違う子が好きなんだって勘違いしちゃって。

すれ違っちゃったの。」





「それで・・・付き合えたんですか?」




コップを置いて見つめると、小さく頷きながら、





「最終的にはね。」と微笑んだ。




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