恋するシンデレラ
11
ストレッチをした私達のもとに、社交ダンスの先生がやってきた。
初めての先生って。
なんか、ドキドキする。
「「よろしくお願いします。」」
「はい、よろしく。
今日は基本的なステップをやりましょう。」
今までダンスはやってきたけど、
社交ダンスは初めて。
皆も戸惑っているみたいだった。
「はい、それではリズムに合わせて下さい。
ワンツー、スリー。」
男女ペアになって教わったステップを踏む。
今練習しているのは、メインキャストのみ。
エキストラで踊る人達は、別でやるらしい。
私の相手は、もちろん優斗。
始めは慣れなくてお互い少しぎこちなかったけど、
優斗もダンスを習っていたから、スムーズに動けた。
「いってーな、おい!」
『ワン、ツー、スリー・・・』と手拍子する先生が止まった。
「だから、そこは左足だって言ったでしょ!」
「さっきは右つったろ!」
「はぁ!?」
廊下にまで響き渡るくらい大きな声。
一気に嫌な雰囲気になる。
「まぁまぁ。」
言い合う二人の間に入ったのは、紳士な微笑みを浮かべる達哉君。
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