恋するシンデレラ







「皆が帰った後も、残って練習してたんでしょ?


前より綺麗に踊れてるもん。
見ればわかるよ。」


また女の子が下を向いた。


「辛かったね。

我慢しなくていいよ。」


そっと背中を撫でたのをきっかけに、女の子はポロポロと泣き出した。





「皆のっ、足手まといになってるのはわかってたから。

練習・・・しようと思ってっ。


でも、なかなか上手くならないし。

私、焦っちゃってっ。


ペアにもっ・・・ひっく・・・悪いと思ってる。

皆、ごめんなさいっ。」



皆は笑顔で、
『大丈夫だよ。』
『あたしだって出来てないよ。』
と言いながら、女の子の周りに集まった。



ポツンと残された男の子。


私は女の子の方へと背中を押した。



『ペアは、あなたにとっての相棒です。』



「ほら、相棒。」

先生の口癖をそっと呟いてみる。


女の子の元へ駆け寄る。

二人をそのままにして、皆で休憩室へと向かった。







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