恋するシンデレラ



一瞬のことなのに、私の体は反応してしまう。


心臓はうるさく音を立て、

一瞬触れた腕から熱が体全身へと伝わる。




「あのなぁ、気持ちはわかったから。

こいつの嫌がるようなことはすんなよ。」


私のこと、心配してくれてるんだ。

嬉しいと感じる反面、

拓哉君が私を好きだということに対しては、

何も言ってくれない優斗に寂しさを感じてしまった。




そんなの、当たり前なのに。







涼しい風が通る廊下。




皆は楽しそうな笑い声が教室から響く。


まるで廊下と教室が別世界のようで。





なぜだろう。



目の前に大好きな人がいるのに、辛い。




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