恋するシンデレラ








『お待たせしました!

王子の登場でーす!』


わぁ---っと大きく響く歓声。




カウントダウンが始まった。







『王子登場5秒前ーーー・・・』


え!

ちょっ、待って・・・



「奈々、動かないでー!」


だって、先に優斗が!



『4、3ーーー・・・』



私、一緒に出たいのに!



「ちょっと、動くな!」




『2、1ーーー・・・!』



待ってってばぁ---!




シャッ---・・・と開いたカーテン。


『きゃ-------!』


黄色い声が鳴り響き、私は座り込んだ。





・・・間に合わなかった。


私も一緒に見たかった。







『カッコイイ!』などと聞こえる中、手をついて落ち込む。





「だから、動くなっての!」



カーテンの中で、歌菜の声が響いた


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