恋するシンデレラ
・・・うわ。
どうしよう。
緊張する。
右には。
ゆ、優斗が。
王子様の優斗が・・・!
「うーい。
んじゃ、もうちょいくっついてくれるかな?」
えっ。
こ、これ以上?
これ以上ですか!?
ただでさえ、近くて。
隣は完璧な王子様だから。
もう、心臓壊れそうなのに。
む、無理!
「だってさ。
奈々美?」
うわぁ!
顔覗き込まないで~。
思わず下向いて目をギューッと閉じる。
キュッ
「え・・・?」
「近づけって言われてんだから、近づけよ。」
右手があったかい。
少し引っ張られた私は、大人しく近づいた。
「・・・できんじゃん。」
悪戯に微笑む優斗があまりにかっこよくて。
また、頬が染まる。
「はいはーい。
いちゃつくのはそんぐらいにしといてねー。
撮るよ〜。
ハイ、チーズ!」
合図と共にフラッシュがたかれる。
「って、ちょっと。
二人共笑って?」
呆れ笑いされて。
また撮り直しになっちゃった。
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