恋するシンデレラ
始業式での長い長い話を聞いた後は。
昼休み。
皆のお待ちかねの時間だった。
「よっし!
行くぞー、奈々!」
「え。
・・・行くの?」
「あら?
愛しの王子に会わないの?」
この人はっ
「・・・愛しじゃないしっ!」
ーーーーーーーーー・・・
結局。
『きゃー!
カッコイイ!!』
『王子ー!』
来てしまった。
この光景は見たくないんだけど。
でも、やっぱり会いたいじゃん?
そんな中、イケメンが振り向く。
『きゃ------!』
黄色い声に顔をしかめつつ、こっちを見る。
ニッと笑い、手招きした。
また盛り上がる廊下。
周りの男子も相当イケメンなんだろうけど、優斗はもっと・・・かっこいい。
誰のことを呼んでるのかと、皆が見渡す中で優斗が口を開いた。
「奈々美。」
.