恋するシンデレラ









「いーなあー。

仲良くて。」



唐突に歌菜が呟く。


「誰が?」




愛のアーモンドチョコを口に入れながら聞き返す。







私達はいつも早めに教室に戻る。


この静かな空間が好きだから。






机の中から下敷きを出して、パタパタと扇いだ。








「だから、奈々がー。」



「は?誰と?」



「だからっ、佐倉王子と!」



え?と私が首を傾げる中、黙ってチョコを食べてた愛が言う。




「無駄よ、歌菜。

お互い仲が良いのわかってないから。」


両手を少し上げて首を振り、外国人のマネをする歌菜に怪訝な表情を向けてみる。



「はぁー。

二人とも頭がいいんだか悪いんだか。」

「こういう事に関してはバカなのよ、この人達は。」



キッと睨むと、愛は舌を出す。

皆が帰って来たので、そこで話は中断となってしまった。






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