恋するシンデレラ









「あ、見て見てー!


王子達だー!!」



その声に皆でベランダに出ると、優斗達がサッカーをしていた。


楽しそうに笑ってる優斗。

無邪気に笑う顔は、幼くて可愛い。








・・・あ、ゴール決めた。









ガッツポーズをする優斗は、やっぱりかっこいい。



好きすぎてどうかしちゃいそうだよ。




見とれている私に、誰かの声が届いた。





「カッコイイけどさー。

好きな人いるんでしょ?

他校に。」









『えっ。』と皆固まってその子を見る。


私もその一人だ。




「誰か話してるのさっき王学で聞いたよ?

男子の声だったー。」





私と両想いだと噂が立っているからだろう。


皆が、私を見た。







「・・・ん?」






わざと、首を傾げてみる。










本当はわかってる。


本人の口から確実な事を聞いたわけじゃない。



けど。

わかってる。








そっか。

他校だったか。


どんな子なんだろう。







きっと髪が短くて、優しくって・・・。


私とは、正反対なんだろうな。








< 157 / 304 >

この作品をシェア

pagetop