恋するシンデレラ
「あ、見て見てー!
王子達だー!!」
その声に皆でベランダに出ると、優斗達がサッカーをしていた。
楽しそうに笑ってる優斗。
無邪気に笑う顔は、幼くて可愛い。
・・・あ、ゴール決めた。
ガッツポーズをする優斗は、やっぱりかっこいい。
好きすぎてどうかしちゃいそうだよ。
見とれている私に、誰かの声が届いた。
「カッコイイけどさー。
好きな人いるんでしょ?
他校に。」
『えっ。』と皆固まってその子を見る。
私もその一人だ。
「誰か話してるのさっき王学で聞いたよ?
男子の声だったー。」
私と両想いだと噂が立っているからだろう。
皆が、私を見た。
「・・・ん?」
わざと、首を傾げてみる。
本当はわかってる。
本人の口から確実な事を聞いたわけじゃない。
けど。
わかってる。
そっか。
他校だったか。
どんな子なんだろう。
きっと髪が短くて、優しくって・・・。
私とは、正反対なんだろうな。
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