恋するシンデレラ








だから言えないんだよね。





勇気を出して。







どんなに頑張っても。

優斗の好きな人が、優斗の彼女じゃなくても。





優斗は、きっとその人のことしか見えてない。





だって。

私がそうだもん。




だから、今だけ。


優斗を見つめるのも。

優斗に会いにいくのも。


好きでいるのも。






今だけ。

私の王子様でいるのは、今だけだから。




魔法がとけたら。

それで終わりなんだよ、シンデレラ?





貴女のように、探しに来てはくれない。





そこにいるのに。

手を伸ばせば届くのに。




私は、優斗の隣にはいられない。













愛達と一緒に話しながら教室へ入る。



何も気にしてないかのように振る舞う。




演技、少しは上手くなったかな?


皆は何事もなかったかのように、また話しだした。






友達に、感謝。



潤んだ目がばれないように。

愛はタオルを私の頭に被せた。






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