恋するシンデレラ




『一応おはようっつったんだよ!』


『お前、朝会っただろ!!』



巻き起こる笑い。


一層明るくなる教室。



まるで私だけ、別次元にいるかのように。




入り口付近に集まっていた人の間をすり抜け、入ってくる。






やめて。





お願い、来ないで。








バックの中をあさっていた優斗と目が合う。






優斗は目を見開き、立ち止まった。













「・・・どした。」







ほら。

こんな風に自然と気にかけてくれる。







優しいから、誰だって勘違いしちゃうよね。








「・・・奈々美?」







こんなカッコイイのに性格までいいとか。



ほんと、優斗に思われてる人が羨ましいな。






「おい・・・?」






運動神経すごくいいのに、勉強もそこそこできちゃうんだよ?



ムカつくよねー。






「奈々美。」





その声で、私は思考を止めた。




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