恋するシンデレラ
速くなる鼓動。
外せられない瞳。
ゆっくり近づく優斗に対して、心臓は更に速く強くなっていく。
「一緒に踊っていただけませんか?」
優しい微笑みと共に差し出されたその手に、ゆっくりと手を重ねる。
「はい。」
声が、震えそうになった。
ストップモーションが終わり、ここからはダンスナンバー。
継母達が私達をチラチラと驚きの目を向けながら、ダンスを踊る。
私、つまりシンデレラは、それに気づかないくらい王子に引かれていく。
それを表現するシーン。
演技のはずなのに、本当のことみたいに感じる。
優斗の近くにいてドキドキする反面、一緒に踊れる嬉しさが出てくる。
・・・このまま、時間が止まっちゃえばいいのに。
なんて、贅沢言ってみたり。
文化祭特別に空調を効かせてくれた生徒会に感謝だなー。
だって、この涼しさでも暑いもん。
絶対、
顔、火照ってる。
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