恋するシンデレラ
けして大きくはない、けど力強く響く声。
その綺麗な声は私の中で何回も繰り返される。
『好きだ。』
あ・・・れ・・・・・?
台詞が違うよ、優斗。
第一、王子は敬語なはずでしょ?
けど。
練習の時より比べ物にならないくらい伝わるし。
自分に言われてるようでしょうがなくなる。
・・・あー、私凄く幸せ者。
贅沢だよね。
こんなの、なかなかない事だよね。
目が潤んじゃって、優斗がよく見えないや。
今すぐにでも、その胸に飛び込みたくなる。
・・・だけど、私は行かなきゃいけない。
ここは、返事をしちゃいけないんだから。
ストップモーションが終わり、鐘の続きが鳴り始める。
うん。
行かなきゃ。
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