恋するシンデレラ
と、廊下の向こうの方で、もの凄い人だかりができていた。
・・・・・・まさか。
人込みの中を進む。
その人だかりに近づくにつれて、私の心臓はどんどん加速。
あともうちょっと。
人が多すぎてイライラする。
手が届きそうで届かない。
イライラする。
人だかりの中から、少し茶色がかった頭が見えた。
・・・優斗っ!
「あのっ、すみません!」
私の肩を触る手。
声は私の頭より上から。
・・・・・・・・・誰?
「あの、今大丈夫ですか?」
振り返れば、結構な人。
3分の2くらい・・・いや、4分の3くらいが、男の人。
あっというまに、私の周りも人だかりに。
・・・いや、大丈夫じゃないんだけど。
周りがほぼ男子なだけに、優斗の方が見えない。
くっそー。
移動しちゃったらどうするのよ!
.