恋するシンデレラ





・・・誰だろう。




全く知らないってことは、先輩かな?




同じ学年だったら、劇で関わってるはずだから・・・



って、人数多すぎるからなー。



覚えきれてないかもしれない。












「好きです。」





「・・・・・・・・・はい?」






目の前には、あの青い茎のバラ。







「付き合ってくれませんか。」










顔、真っ赤。






そんな姿を見ると、胸が苦しくなる。





だけど。









「ごめん、なさい。


好きな人がいるんです。」




「・・・・・・」




「このバラも、返そうと思ってます。

ごめんなさい。」




「・・・そう、っすか。」





お願い。



そんな苦しそうな顔をしないでください。






自分と、被って見えてしまうから。




「好きになってくれて、ありがとうございます。」



まっすぐ目を見て言えば、表情が軽くなっていて。


ほんの少しだけ微笑んで。

頷いてくれた。








そのあとも、告白してくれる人が出てきて。



そのたびに、ごめんなさいとありがとうを繰り返した。










誰かを振るって、
こんなに胸が痛くなるものなんだね。








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