恋するシンデレラ




「最初に言ったでしょ?

知ってるって。



振られることもわかってました。










それでも俺は、
俺を知っていてほしかっただけなんです。



自分勝手な話ですよね。」






笑って見せたその顔が。



あまりにも切なげで。



また、私と被って見えてしまう。








「好きになってくれて、
ありがとうございます。」



「こちらこそ。

返事をくれてありがとう。



頑張って下さいね。」






あぁ。


また、胸が痛くなる。






素敵な人なんだろうなと、会って間もない私がわかるほど。




振った私が傷つかないように、
気を使ってくれる人だった。






.
< 230 / 304 >

この作品をシェア

pagetop