恋するシンデレラ
「それじゃっ!」
元気よく手を振った彼に、私も小さく振り返す。
・・・無理に笑ってくれたのかな。
優しい人だな。
タピオカミルクティーを飲みながら、階段を降りる。
凄い熱気から、解放されて。
少しの間だけ、一息つける場所。
「あ、いた!」
また、息がつまる。
心臓が、ドキドキし始める。
落ち着け、私。
息を吸ってーーーーーー・・・
吐いてーーーーーー・・・
「ふーーーーーー・・・。」
ゆっくりと振り返れば。
階段を降りてくる、爽やかなやつ。
「お前、探したっつーの。」
ハスキーがかった声で、
少し茶色い髪をかき上げて来る、
「どこにいたんだよ?」
大好きな、王子。
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