恋するシンデレラ








え。



え。





えぇーーーーーーっ??









近づくにつれて、人が多くなっていく。






ほぼ、全校生徒が集まってるんじゃないかって位の人だかり。





いや、全校生徒いるでしょ。








文化祭のメインイベントの一つ。







広ーい、広ーい校庭のど真ん中で。




毎年恒例らしい、告白タイムが行われている。









『晴菜さーん!

好きです!



俺と、付き合って下さい!!』







大きな声が響く。




「優斗っ?」





人混みを上手く避けて歩く優斗。




すれ違うたび女の子が優斗を見ているのがわかる。




『それでは晴菜さん、返事をどうぞ!』





混乱している私は色んな事に気が散っているのもあるせいか、上手く避けられない。






「ちょっ。

ねぇっ、優斗!」



速さを緩めない優斗に不安を覚える。




『よろしくお願いしますっ。』




呼ばないと、遠くへ行っちゃいそうで。





「優斗っ。」

「うるせーな。」




そう言って、私の手を掴んだ。


ぐいっと引き寄せられて、優斗の背中にぶつかる。







「ちゃんと歩け、ばか。」









.
< 281 / 304 >

この作品をシェア

pagetop