恋するシンデレラ
え。
え。
えぇーーーーーーっ??
近づくにつれて、人が多くなっていく。
ほぼ、全校生徒が集まってるんじゃないかって位の人だかり。
いや、全校生徒いるでしょ。
文化祭のメインイベントの一つ。
広ーい、広ーい校庭のど真ん中で。
毎年恒例らしい、告白タイムが行われている。
『晴菜さーん!
好きです!
俺と、付き合って下さい!!』
大きな声が響く。
「優斗っ?」
人混みを上手く避けて歩く優斗。
すれ違うたび女の子が優斗を見ているのがわかる。
『それでは晴菜さん、返事をどうぞ!』
混乱している私は色んな事に気が散っているのもあるせいか、上手く避けられない。
「ちょっ。
ねぇっ、優斗!」
速さを緩めない優斗に不安を覚える。
『よろしくお願いしますっ。』
呼ばないと、遠くへ行っちゃいそうで。
「優斗っ。」
「うるせーな。」
そう言って、私の手を掴んだ。
ぐいっと引き寄せられて、優斗の背中にぶつかる。
「ちゃんと歩け、ばか。」
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