恋するシンデレラ










『ありがとうございました!



では、ここで!

スペシャルゲストが急遽お越しくださいました!



この方たちです!』














「えっ、

ちょっと、


優斗っ?」







何の反応もしない優斗。

腕を掴んで、そのままステージへと向かっていく。






え、まさか。


私達がゲストなの?





何で?


どうして急に??






抗うことも許さない程の力で。



何か続けて言える様子じゃなくて。






そのままステージに出てしまった。














腕は握られたまま。




真ん中のスタンドマイクまで歩いてく。







『やだー、優斗くーん!』

『いやーっ、手繋いでる!』




嫌な声とか叫び声で騒がしくなる会場は、私の苦手な雰囲気。




優斗は何考えてるかわからないし。



不安。



だけど。









掴まれてるこの腕だけが、

掴んでるその手だけが、



私を落ち着かせてくれてる。







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