恋するシンデレラ
優斗はそのまま、マイクの前に立ち。
小さく咳払いをした。
私は優斗の背中に隠れて、嫌な空気から逃れようと頑張る。
『えー、ここに立っている理由は1つだけです。』
挨拶もなしにいきなり話し始めた優斗。
いや、あの。
よくわからないんですが。
私は後ろで首を傾げるしかない。
『聞こえてるかー。
まだ返されてないみたいだから言うけど、』
ぎゅっと手を強く握られて引っ張られた反動で、優斗の背中にぶつかる。
そのまま、私の胸ポケットからバラを取り上げて。
『やんねーからな。』
.