恋するシンデレラ
「ねぇ、優斗。」
「ちょっ、待ってろ。」
ん?
「こっち見んな。」
そう呟いた優斗は、人混みの脇を早足で通りすぎていく。
私の腕を掴んだまま。
・・・優斗の手、熱い。
なんで?
見上げれば、真っ赤な耳。
・・・そっぽ向いてるし。
もしかして・・・
また、照れてるの?
意外に、照れ屋さんなの?
優斗?
祝福の歓声と、
強烈な悲鳴を背中で受けながら。
早足で進んでいく優斗に必死でついていく。
絶対照れてる。
ってことは、やっぱりさっきのは・・・
でも、優斗?
照れるならなんであんな事したの?
よくわかんないんだけど。
質問は、今しちゃいけないみたいだし。
ほんと、よくわかんない。
沢山聞きたいことがあるのに、
こんなに疑問に思ってるのに。
『やんねーからな』
物凄くドキドキしちゃってる。
今絶対、ニヤついちゃってる。
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