恋するシンデレラ
・・・・・・あ。
かっこいいだなんて、意識しないで言ってた。
あまり深い意味はなかったつもりだった。
潔くてかっこいい、っていう意味でのかっこいいだったんだけど。
だから?
だから耳が赤いの?
それでも、やっぱり優斗はかっこいいし。
その事実に変わりはないから、言わないでおこう。
でも、ジワジワと恥ずかしさが込み上げてくる。
「・・・なんでお前が照れてんだよ。」
仏頂面の優斗。
いつもの癖なのか、あぐらをかいたまま頬杖をついている。
・・・拗ねてる。
というより、照れてる。
「・・・ん。」
私の前に突き出されたのは、
青い茎の、バラ。
・・・・・・え?
「ん。」
それしか言わない優斗は、動けないでいる私の膝へ軽く投げた。
ぽん、と置かれる優斗のバラ。
「くれるの?」
何も答えない優斗。
そのバラをそっと胸ポケットにしまい、代わりに緑の茎のバラを優斗のポッケに。
びっくりしてる姿は可愛くってしょうがない。
「ん。」
返事もそれ?
相変わらず、そっぽを向いたまま。
耳の赤い優斗を見ていたら、なんだか胸が締め付けられた。
片想いの時の切ない感じじゃなくて、
なんていうか、甘ーい感じの。
「ねぇ。」
「ん。」
「名前、呼んで?」
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