恋するシンデレラ










「はっ?」





びっくりするよね。

うん。








「意味わかんねぇ。」





うん、言うと思った。








でも聞きたくなっちゃったんだもん。


しばらく、呼ばれてないし。





なんか。
照れてる優斗を見てたら・・・ね。



名前呼ばれたいなー、なんて。








「なんで今更、」

「だっていつも『お前』って言うばっかりで、呼んでくれないじゃん。」


「あ?

お前は・・・アホか。」

「ほら、お前って言った。」





ギクッとした優斗はそのまま黙りこんでしまった。









・・・ダメか。

そりゃそうだよね。


優斗照れ屋みたいだし。











・・・・・・・・・ちょっと待って。





・・・今、私めんどくさい女になってない?


まだ赤い優斗を見て思わず溜め息をつく。





ダメじゃん、優斗困らせちゃ。



こんな面倒な彼女になりたいわけじゃない。







「・・・いーんだけどねー。」






ボソッと小さく言い訳のように言ってみる私は、
やっぱり可愛くない。





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