恋するシンデレラ






「って、あいつには内緒ね?

怒られるから。」


と、私の耳に手を当てて言う。


頷いて答えれば、



「これは、バラを返されたお返しってやつね。」


ニヤリと笑ってみせる達哉君に首を傾げる。




え、お返し?

私に?



何を?









「うわっ。」


達哉君の声に反応すれば、



「何をしてるのかな?」




達哉君の首に腕を回し、
仰け反らせている・・・・・・・・・









優斗。











その表情は完全に。




「え?

いやー、内緒だよね。
奈々美。」


「えっ。」


「ほー。

内緒、ね。」





怒ってる。




笑ってるのに、むしろ怖い。







「いてててて!

ちょっと、痛いって!」

「うるせぇ。

男子はあっちだろーが。」




そのまま、引っ張られて行ってしまった。










「あらー。

まんまと召し使いの思惑どおりね。」


「え?」





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