恋するシンデレラ
隣に座ってた愛は、ジンジャーエールを飲みながら肩をすくめた。
愛が持つとそれがお酒に見えてくるから恐ろしい。
「馬鹿ね。
何の意図もなしに耳打ちする男なんて、そうそういないわよ。」
「え。そう、なの?」
「おまけに振られた男が、好きだった女の子に耳打ちだなんて。
しかもお返しって言ってたでしょう?」
・・・・・・聞こえてたのか。
あ、そうそう!
「そのお返しって、どういう事?
何がお返しなの?」
疑問をぶつけてみたら、返ってきたのはため息で。
『ほんと鈍感なんだから。』
なんて、ブツブツ言っている。
は?
鈍感?
なんでそうなるの?
「優斗君への当て付けに決まってるでしょ。
優斗君へのお返し、って意味よ。」
またため息をついた愛は、
『ちなみに当て付けっていうのは、
耳打ちで優斗君に嫉妬させるって事だからね。』
と、私を睨む。
嫉妬、ですか。
優斗が?
・・・・・・私に?
「だから、怒ってたんでしょ。
優斗君。」
嫉妬ねぇ。
なんか、ピンと来ないけど。
優斗を見れば、嬉しそうに笑ってるし。
男子同士で盛り上がってるようだった。
・・・・・・楽しそうにしちゃって。
なんて見ていると、目が合った。
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