恋するシンデレラ




−優斗VERSION−








あー、やべぇ。





俺、テンション高ぇ。




冷静になろうと深呼吸してみるも、顔のニヤけ具合は治まらない。


視界の端に、あいつが見える限り。







・・・・・・あー。


彼女とか。






・・・実感ねぇー。









ーーーーーーーーー・・・




あの時。

30分後に会うと約束した時。


先生に呼び出されてるから、なんて嘘をついた。



本当は、達哉と待ち合わせていた。

で、殴っちゃったわけで。



・・・あいつにそれを言えるはずもなく。











てっきり両思いになれたと思っていた俺は。


ちゃんと、
『付き合おう』って言っておきたくて、

そんな嘘をついてまで待ち合わせの約束をさせた。



あいつ、そういうところはバカだからな。










そんな俺の考えを越えて。


劇中の台詞なんだとか勘違いしやがって。



・・・お前、俺がどれだけ頑張って言ったか。

わかってねぇだろ。







挙げ句の果てに、
結衣が彼女と言われた時は、まじで驚いた。




・・・俺、違うって前に言ったよな?




ってか、
両思いだと思ってなかったら、
・・・キスなんかしねぇよ。





ほんと。
あいつには、驚かされてばっかりだ。














保健室前で見たのが奈々美かもしれないとは感じてた。



だから、必死に探したわけだけど。





いなくなった理由はわからなかったけど、嫌な予感はしたから。







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