恋するシンデレラ



「あー、うまかった!」
「ここ、いいね!」

皆満足してくれたみたいでよかった。

ホッとしながら、奥さんの元へ向かう。


「凄く美味しかったです。」
「あら、ありがとう。
今度は二人でいらっしゃい。
サービスするから。」

と、私の隣を見て笑う。

「・・・あ、はい。」

赤くなる優斗につられて、私も赤くなってしまった。


外に出れば、もう次にどこへ行くか盛り上がっている。

「どこ行くの?」
「あー、二人はここで解散な!」
「・・・え?」
「お二人でごゆっくり〜。」

愛もニヤニヤしている。

え、いや。
そう言われると恥ずかしいんですけど。

また火照る頬を押さえていると、あのカップルの女の子が『あっ!』と声を上げた。




「はい。二人にプレゼント!」



手渡されたのは、小さな紙製の袋。


中を開けてみると。



「・・・わぁ、可愛い。」



「えへー。
カップル用のバッジ、オリジナルで作ってもらったの。」





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