恋するシンデレラ
2
「皆さんおはようございます。
今日はいつもと違うことをします。
役で1番接することの多い人同士でペアになってもらい、
お互いの欠点を見つけてもらいます。
言われた事はこの時間内に克服するようにね。
では、ペアを決めて下さい。」
役で1番接する人って・・・・
どう考えても佐倉優斗じゃない!
救いの目を愛に向けるともうすでにペア組んでるし。
まじですかー?
「優斗君っ。
ペア組もう?」
振り返るとあの子が佐倉優斗に近寄っていた。
神林麗華さん。
ちゃっかり、優斗君って呼んでるし。
上目づかいとかしてるところを見れば、好きってバレバレでしょ。
「いや、俺と一緒のシーン少ないだろ。
娘役がペア相手じゃん?」
さすが。
嫌味なく断って、相手を傷つけない。
「え、でも・・・。
娘役は2人いるし、ね?」
んー、ねばる神林さん。
「それに、プリンセスの相手は王子だろ。」
ニヤリと笑いながら近寄り、私の腕を引っ張った。
「わっ。」
よろめくと、佐倉優斗が支えてくれる。
「っ、そっか。
じゃあ、また後でね。」
そう笑顔で言った神林さんは、私をきつく睨んで離れて行った。
.